あの子は・・・

あの子との思い出

ブロンド髪のあの子・・・

いつもと変わらない朝

 

いつもと変わりのない教室

 

ホームルーム開始の鐘の音がひびく校舎

 


先生といっしょに入ってきた、ひとりの女の子

 

長いブロンド髪に青く澄んだ大きな瞳

 

今まで聞いたことのない美しい言葉のひびき

 

 

言葉の壁なのだろうか。

 

周囲の子に話しかけられても、ハニカミヤのその子はニコヤカにうなずくだけ

 

 

昼食を終え昼休み時間

 

なんとなしに、気になるその子に話しかけてみた・・・

 

もちろん、言葉は互いに通じない

しかし、なぜだか気が合ったよう

 

バラが咲き乱れる庭で遊ぶふたり

 

くる日もくる日も楽しく手を取り合い遊んでいた

 

そんなある日のこと小さな手にはキレイに輝く石

 

ぼくへのプレゼント

 

そんな夢のような日は長く続かなかった

 

週明けのこと

 

ぼくも宝をもって朝いつものように教室へ

 

 

その子を探してみたけろど見つからない

 

鐘の音が聞こえてきてもあの子の姿はなかった・・・

 


先生が口を開く

 

その女の子はお父様の仕事の関係で異国の地へ旅立ったという

 


あの子は今ごろパリジェンヌとなり、シャンゼリゼ通りを微笑ましく歩いているのであろう・・・。